本大会が発足した1993年、主催者だった東京都山岳連盟は、下記の趣旨で大会をスタートさせました、
私ども日本山岳スポーツ協会も、この趣旨を受け継ぎ大会運営をしています。
一般財団法人 日本山岳スポーツ協会
これまで東京都山岳連盟は、日本の山々にとどまることなく、世界中の山へ活躍の場を広げて参りました。一方、生涯スポーツとして山岳を楽しむ方々や、最近は特に健康志向の登山者の増加に対し、正しい登山の知識や技術を知っていただくため、発足以来登山教室などを開いて啓発活動を行って参りました。
広く自然に親しむことの素晴らしさを知って、森林浴、ウォーキング、ハイキングから登山までさまざまな形で、その領域は際限なく広がっています。首都東京の汚れた大気を浄化してくれるのも郊外である奥多摩の自然が大きな役割を果たしています。この、かけがえのない奥多摩の自然を護り育むことは、私どもに課せられた責務であると考えます。
次の世代へ、いかにこの奥多摩の豊かな森と、清らかな水を継承できるか、一人一人の考え方が重要であります。私どもは、自然にどのように接したら良いか自然観察会などを通し、自然を良く識り、親しむ方法なども啓発活動の一環として行っています。
第2回大会より参加者の皆さんのご協力をいただき「奥多摩環境保全基金」を創設し、より積極的に自然保護の活動にも参加しています。山岳を楽しむ多くの方々に、自然の素晴らしさと厳しさを正しく理解していただき、安全登山を心がけるよう、生涯スポーツの振興に付与したいと考えております。その上で、美しい奥多摩の自然の中で、自己の限界に挑戦し、強い身体を鍛えていく『日本山岳耐久レース』により、健全なる心身を育んでいきたいと考えております。
ヒマラヤではファイナルキャンプよりアタックするとき、頂上を極めてからアタックキャンプに帰還するまで、昼夜にわたることがしばしばあります。これを私たちのふるさと東京の山におけるトレーニングの一環として、ヒマラヤを目指す若いクライマーの登竜門として、この『日本山岳耐久レース』を位置づけていきます。
このレースは、ソロクライマーとしてヨーロッパアルプス三大北壁冬季単独初登攀や南米アコンカグア南壁冬季単独初登攀という、数々の記録を達成した世界的クライマーである長谷川恒男の業績を讃え、大会の象徴として長谷川恒男Cupを設けました。彼は東京都山岳連盟に所属していました。彼の自然と山と人を愛し、未知への飽くなき挑戦心を継承し、青少年に夢を与える『日本山岳耐久レース』の報奨として、男女の優勝者には、長谷川恒男カップを贈呈致します。
安全対策としては東京都山岳連盟山岳救助隊の精鋭が、各ポイントに配置され、有事に際し万全の体制でのぞみます。
この趣旨に基づき、全国の自然を愛する仲間や山岳愛好家、山岳ランナーが集い、奥多摩の自然の中で、交流をはかりながら生涯スポーツ振興と自然保護の啓発及び登山の発展の一助となれる場に致したいと思います。