第1章 総則
第1条(目的)
- 本規則は、ハセツネ30K大会(以下、本大会という)における競技に関する事項を定める。
- 本大会は、自己の限界を追求するトレイルランニングの最高峰『日本山岳耐久レース(ハセツネCup)』の入門レースとしてトレイルランニングの普及発展の為、また、五日市特産の江戸野菜『野良坊菜』や春の花爛漫の自然の美しさを肌で感じ、自然保護の精神を啓発することを目的として開催する。
- 参加選手は、レースを通じ、自己の限界に挑戦するとともに、安全に、かつ自然との共存に配慮し、また、他の競技者や役員並びに他のスポーツに対する尊敬と憧憬の念をもって、自然というフィールドで楽しむことを目的とする。
第2条(定義)
- 本規則において、会場とは、競技のスタート前、フィニッシュ後における、選手の受付、表彰、荷物の預かり等をする施設、場所をいう。
- 本規則において、コースとは、競技のスタートから、フィニッシュまでの競技が行われる場所、道路、登山道をいう。
- 本規則において、競技中とはスタートからフィニッシュまでをいう。
- 競技の中止とは、審判が選手に対し、競技中に競技を中断させ、以後の競技の続行を認めないことをいう。
- 競技の停止とは、審判が選手に対し、競技中に競技を一時的に中断させ、停止事由が消滅した時は、競技を再開することをいう。
第2章 選手
第3条(参加資格)
選手は本大会に出場するには、以下の各号のすべての要件をみたさなければならない。
(1) | 大会当日において満16歳以上であること(18歳以下の参加者は保護者の承諾が必要) |
(2) | 山岳地域のレースの特性を充分に認識し、全コースを迷うことなく制限時間内に完走する自信のある人 |
(3) | 大会が指定する会員制捜索ヘリサービス(ココヘリ)に加入していること |
※ 障がい者枠を設ける。第8章も参照すること
第4条(優先参加資格)
前条各号の参加資格をみたした者で、以下の各号いずれかの要件をみたす者は、優先参加資格を得ることができる。
(1) | 招待選手:過去の本大会において優秀な成績をおさめた者及びハセツネ30K大会実行委員会(以下大会実行委員会という)で特に定める者 |
第5条(参加の申込)
- 大会に出場を希望する者は、大会実行委員会が定める方法により申し込みを行わなければならない。
- 大会実行委員会は、前条の優先参加資格を有する者の定員数及びその他の者の定員数を決める。
- 参加の申込をする者は大会実行委員会が定める参加料を指定の期日までに支払わなければならない。
第3章 組織(役員およびその任務)
第6条(組織)
本大会の主催は一般財団法人日本山岳スポーツ協会が行い、競技の準備、運営及び審判は、以下の委員会及び各部が分担する。
(1) | 大会実行委員会 |
(2) | 大会本部 |
(3) | 運営部 |
(4) | 輸送部 |
(5) | 審判部 |
(6) | 広報部 |
(7) | 救護部 |
(8) | 競技部 |
(9) | 財務部 |
第7条(大会実行委員会)
- 大会実行委員会は、一般財団法人日本山岳スポーツ協会を含む各種後援団体の代表、各部の代表者で組織する。
- 大会実行委員会は、主催者である一般財団法人日本山岳スポーツ協会の代表の意向を受け本大会の開催の日時、会場、コース、申込方法等を定め、本大会の事前の準備および大会中、大会後の実務運営主体となる。
- 前項の本大会に関する競技関連事項は、一般財団法人日本トレイルランニング協会が主管する。
第8条(大会本部)
- 大会本部は、大会会長、大会実行委員長、大会事務局で組織する。
- 大会会長は、大会当日において本大会を代表する。
- 主催者である一般財団法人日本山岳スポーツ協会の代表は大会運営の総責任者として大会会長・実行委員長を補佐し、大会会長が欠けるときは、実行委員長が会長を代行する。
第9条(運営部)
- 運営部は、会場において、選手が円滑に競技に臨めるよう、選手の誘導、受付、開会式の運営、表彰式の運営、控室の準備、片付け等、競技の前後に選手を補佐する。
- 運営部は、備品の管理を行う。
- 運営部の担当業務の詳細、組織等は、別に定める運営部実務要項に委任する。
第10条(輸送部)
- 輸送部は、大会役員並びに機材の搬送、リタイア選手の搬送及び駐車場の管理を行う。
- 輸送部の担当業務の詳細、組織等は、別に定める輸送部実務要項に委任する。
第11条(審判部)
- 審判部は、審判部長及び副審判部長でこれを組織する。
- 審判部は、選手が公平に扱われ、かつ競技規則を遵守していることを競技中及び競技の前後において審判し、各選手の記録を判定する。
- 各大会の全役員は、審判部の指示に基づき、前項の審判、判定を行う。
- 審判部の担当業務の詳細、組織等は、別に定める審判部実施要項に委任する。
第12条(広報部)
- 広報部は、大会の広報を行うための写真の撮影等を行う。
- 広報部の担当業務の詳細、組織等は、別に定める広報部実務要項に委任する。
第13条(救護部)
- 救護部は、コース上の所定のポイントに常駐し、あるいはコース上を移動して、レスキューマーシャル・本部並びに救護部相互の無線連絡、及び事故発生時に本部への連絡を行い、その指示に従い、要救護選手の救護、搬送を行う。
- 救護部の担当業務の詳細、組織等は、別に定める救護部実務要項に委任する。
- 救護部は有事の事故の際は本部の指示によりレスキューマーシャルを統括する。
- 救護部の元に医療室を設置する。
第14条(競技部)
- 競技部は、フィールドマーシャルを中心にコース上の所定のポイントに常駐、あるいはコース上を移動して、競技が公正、公平、円滑かつ安全に行われるように、選手を誘導、応援、並びに競技規則に則った補佐を行う。
- 競技部役員のポイントにおけるリーダー・サブリーダーをレスキューマーシャルと呼び、救護部から救護の援助の要請があった場合、あるいは要救護選手を確認した場合は、レスキューマーシャルは選手の救護にあたり、本部との連絡を行う。
- 競技部の担当業務の詳細、組織等は、別に定める競技部実務要項に委任する。
第15条(財務部)
- 財務部は、本大会の経理を担当し、本大会の収支の管理並びに出納を行う。
- 財務部の担当業務の詳細、組織等は、別に定める財務部実務要項に委任する。
- 本大会における役員の謝金、交通費の支払いは財務部の定める財務部実務要項に従う。
第4章 競技の場所と施設
第16条(会場)
- 競技会場の場所ならびに使用する施設は、大会実行委員会が定める。
- 競技会場の設営、施設の管理は、運営部が担当する。
第17条(コース)
- 競技のコースは決定次第公表する。
- コースの詳細は、大会実行委員会において決定する。
- 競技コースの整備、施設の管理は、競技部が担当する。
- 競技コースには、関門を設ける。
- 競技コースの適切なポイントに、テープ及び矢印表示等の設置を行う。
第5章 競技
第18条(競技の日時)
競技の日時は、大会会場及び競技コースを管轄する行政区域との調整の上、大会実行委員会がこれを定める。
第19条(選手の服装および装備)
- 選手は、全コースを安全に完走できる服装で、かつ他の選手、役員、一般のコース利用者に迷惑のかからない服装を着用しなければならない。
仮装等は禁止する。 - 選手は、大会受付で渡されたレースナンバー及びランナーズチップタグを装着しなければならない。
- 前項のランナーズチップは、競技終了後若しくは競技中止後、これを大会役員に返却する。競技に参加しない場合も同様とする。
- 水1.5リットル以上、レインウェア上下(上下とも防水透湿素材のもの。ウィンドブレーカー等は不可)、行動食をレース参加必要装備品とする。
- 前項の必要装備品のほか、選手自身が必要とする装備品は制限しない。
- 前項の規定にかかわらず、ストック並びにこれに代わる杖等はスタートから指定の区間までは使用できない。その区間においては、ストック並びに杖等はザックに装着するものとし、手に持って走行することは禁止する。
- イヤフォン、ヘッドホンを装着してはならない。
第20条(種目)
- 本体の競技種目は個人単位で参加するもののみとする。
- 表彰に関する事項は、別に定める。
- 障がい者の競技規則は、別に定める。
第21条(制限時間)
- 競技には、第1関門、第2関門及びフィニッシュ地点に制限時間を設ける。これを超えた選手はレースを中止し、役員の指示に従い下山しなければならない。
第22条(順位の決定)
- 第17条に定めたコースを完走するのに要した所要時間の少ない選手から順位を決定する。
- 所要時間はランナーズチップにて百分の一秒まで計測する。
- 所要時間は、スタート時間から計測を開始し、フィニッシュ地点を通過するまでの時間をいう。
- 所要時間が同じ選手がいた場合、同着とし、それ以降の選手の順位は、同着選手の人数分これを繰り下げる。
第23条(スタート)
- 本大会において、選手のスタートの時間は、スタートの合図がされた時間とする。
- 選手はスタート前に、自己の予測される所要時間に従い、スタート地点の指定された場所に、役員の指示に従い、整列しなければならない。
第24条(フィニッシュ)
本大会において、選手のフィニッシュの時間は、フィニッシュラインをランナーズチップが通過した時間とする。
第25条(補給)
- 大会主催者側からは、一切の補給を行わない。
- 選手は、水分並びに食糧の補給を、他の選手、役員、応援者などから受けることができない。
第26条(補助行為、助力行為)
- 選手は、他の競技者、役員、応援者など他者からの競技を行う上で不正に有利になる補助行為並びに助力行為を受けることができない。
- 前項の補助行為並びに助力行為については、審判部実施要項に定める。
- 前2項の規定にかかわらず、選手の安全を第1に置き、事故、傷病における救助、救護行為は、必要最小限のものに限り、これを受けることができる。
第27条(走行の方法)
- 選手は定められたコース以外、走行してはならない。
- 休憩、仮眠、治療など、安全のため止むを得ずコースを離れなければならない場合は、不正に有利にならないように、コースを離れた場所から再び走行を開始する。
第28条(リタイア)
- 選手は傷病、その他競技の続行ができないと自ら判断した場合、競技をリタイアすることができる。
- 選手が競技をリタイアする場合は、コース上の役員にリタイアの意思を申し出なければならない。
- コース上の役員は、リタイア選手の氏名、レースナンバーを確認し、ランナーズチップを回収し、大会本部、審判部長もしくは副審判部長に対し、直ちに報告する。
第29条(失格)
- 故意または過失により、次の各号の一つに該当する選手は、失格となる。
(1) ゴミをレース中に投棄した選手 (2) レースナンバーを着用しなかった選手、レースナンバーを折り曲げて着用した選手 (3) 自然保護に違反する行為があった選手 - 理由のいかんによらず、次の各号の一つに該当する選手は、失格となる。
(1) 条件を偽って参加した選手 (2) 競技規則に違反した選手 (3) 審判および役員の指示に従わなかった選手 (4) 規定の時間を超えて関門に到着した選手および最終制限時間を超えた選手 (5) 第25条の水補給及び食料等の補給を受けた選手 (6) 第26条の補助行為、助力行為を受けた選手 (7) 不正行為があった選手 - 役員は、前2項各号の失格となる選手に競技の中止を命じなければならない。
第30条(競技の中止)
- 役員は、選手が競技中、次の各号の一つに該当する場合、競技の中止を命じなければならない。
(1) 選手が前条の失格に該当する場合 (2) 選手が傷病その他の事情により競技を続行することが不可能あるいは続行することが著しく危険であると現認した場合 - 役員は、前項の競技の中止を命じた場合、競技を中止した選手の氏名、レースナンバーを確認し、ランナーズチップを回収し、大会本部、審判部長もしくは副審判部長に対し、直ちに報告する。
第31条(競技の停止)
- 役員は、不可抗力により、選手が第30条1項各号の結果を生じた場合、この改善を求めるため、当該選手に対し、競技の停止を命じなければならない。
- 選手は、前項の改善を役員から命ぜられた場合、直ちに改善しなければならない。
- 役員は、前項の改善を認めた場合、選手に対し競技の再開を宣言する。
第6章 表彰
第32条(個人表彰)
- 総合男子および女子の第1〜3位入賞者にはメダルを授与する。
- 第1〜6位入賞者には賞状を授与する(表彰内容は男女別総合、10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代)。
- 前2項の総合の入賞者は年代別表彰の対象外とする。
- 完走者(制限時間以内)には、当日、完走証を授与する。また、記録集を後日、発送により授与する。
第33条(特典)
大会完走者の男子500位以内、女子50位以内の選手は同年の「日本山岳耐久レース長谷川恒男Cup大会」への優先エントリー権を獲得できる。
第7章 抗議
第34条(抗議)
- 選手は、選手の失格、競技の中止等に関し、抗議をすることができる。
- 抗議は、審判部長または審判副部長に対し、口頭若しくは文書で行う。
- 審判部長は、抗議の内容及びこれに対する裁定を本大会ホームページで明示する。
第8章 障がい者競技用規則
第35条(目的)
平成23年8月に施行された「スポーツ基本法」においては、「スポーツは、障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障がいの種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない。」とされています。
私達トレイルランニング界ではスポーツ基本法に基づき、年齢や性別、障がい等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてトレイルランニングに参画することができる環境を整備することを基本的な考えとして、障がい者トレイルランニングの推進を図っています。健常者と障がい者が一体となったトレイルランニングを実施するために必要な各種マニュアルの作成、用具等の開発等の実践研究と、障がい者のトレイルランニング環境の実態把握の調査研究を通じて、健常者と障がい者が一緒に楽しめるトレイルランニング活動を推進します。また、トレイルランニングに参加する上で、単独での参加が困難な障がい者が参加できるように基盤の整備も進めます。
第36条(対象者)
身体障がい、精神障がい、知的障がいで障がい者手帳を有し、単独での参加が困難であるが、援助者と伴足することにより完走する力がある者。過去に単独での参加経験があるものは除く。
第37条(障がい者用規則)
- 基本的に大会規則に準ずるが、大会の許可を得て伴走者3名以下をつけることができる。
- シングルトラックにおいて隊列は1列となるように心がけ、他選手の走行の妨げにならないように努める。
- 歩行が困難であっても、コース自体に加工などは行わない。伴走者に搬送してもらい参加することは可。
- 伴走者は対象者への身体への接触や対象者の荷物をもつことができる。
- 崖など危険があるようなところでは、対象者の身体を支えての移動など安全を優先することができる。
- ジェル、サプリ、薬などを必要に応じて対象者に与えることができる。
- 対象者が続行可能と主張しても、伴走者の判断でレースを中止することができる。
- 伴走者1名以上が対象者から10m以内にいなければならない。
- 視覚障がいにおいては、第一関門以前でも白杖を使うことができる。
第38条(伴走者の保護)
人身事故などいかなる場合でも伴走者に対し保障を求めることはできない。障がい者も自己責任は発生している。
付則
- 本規則の改正は、ハセツネ30K大会実行委員会の発案に基づき、一般財団法人日本山岳スポーツ協会理事会への報告決定をもって行う。
- 当規則は、2017年 3月 9日より施行する。